2050年には常識になっている?未来を見据えたLCCM住宅とは
LCCM住宅は、ライフサイクルカーボンマイナスの略で、日本が目指す理想の住宅として注目を浴びています。家には建ててからそこに人が住み、古くなり取り壊すというライフサイクルがあります。各ライフステージでは二酸化炭素が発生しますが、その発生をできるだけおさえようと考案されたのがLCCM住宅です。省エネを考えた住宅は徐々に登場していますが、LCCM住宅は二酸化炭素の削減も目指しているという特徴を持つ住宅になります。
低酸素社会を目指す国土交通省は、2030年を目標にゼロ・エネルギー・ハウスの実現を目指しています。これは、空調や照明などから発生する二酸化炭素がゼロになる住宅と言う意味で、すでに取り組みが始まっています。国土交通省は最終的にLCCM住宅の普及を目指していますが、これは2050年を目標に掲げられ、その実現が期待されます。国土交通省は、その一環として住宅性能の認定基準であるLCCM住宅認証を設け、二酸化炭素の削除を目指した家造りを推奨しています。
認定基準から見ると、LCCM住宅は二酸化炭素の発生が殆どない木材を使い、建物は高断熱・高気密にすることで家の寿命をのばし、さらに太陽光発光システムを活用するという特徴が見られます。エネルギーを自ら作り、高性能でありながらエコ、という未来の住宅の姿が見えてきます。
LCCM住宅の建築はすでに始まっていて、該当する家を建てる場合は、国の補助金制度を利用することが出来ます。補助金は1戸あたり125万円が上限(2018年)と限度がありますので、新築LCCM住宅を考えているときは、補助金制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
LCCM住宅のメリットといえば、光熱費を抑えられることがまず挙げられます。太陽光システムを搭載していることに加え、気密性が高いため、冷暖房を使う機会が従来の住宅よりも減ることが考えられます。気密性や断熱性の高さもメリットの一つで、温度差をできるだけなくし、冬は暖かく夏は涼しく快適に過ごせることが期待できます。二酸化炭素の排出が極力抑えられるため、環境に優しい家としてのメリットは計り知れません。
LCCM住宅の開発は始まったばかりで、すべての工務店やハウスメーカーで取り扱っているとは限りません。対応していない地域であれば、デメリットにつながります。住宅建築には太陽光システムや特定の建材を使用するため、初期費用が普通の家よりも割高になります。長期的な目で見たらメリットになりますが、短期的に見るとデメリットになる面もあります。